- ではここからは、社長の増田法子さんについてお聞かせください。ロータスパレス(を運営する会社)の社長になるのは、どのような経緯だったのでしょうか。増田はもともとは普通のOLで、休暇によく海外旅行に行ったそうです。その中で、たまたまベトナムに旅行に行った時に一気に惚れ込んでしまったようで。
特にハノイの夕日の美しさや、ホーチミンの活気に胸を打たれたそうです。現地の人々がみんな元気ハツラツとしてて、生きる力に圧倒されたというか。
その後、ベトナムの文化を日本の身近な人にも紹介していきたいと、個人で家具や雑貨を輸入して、週末にお店をやっていました。実は、私はその時大学生で、そのお店に立ち寄ったのが、増田との最初の出会いです。
- 旅先での人々や絶景が人生の道標となったなんて、ドラマのようなお話ですね。はい、社内では「社長とベトナムとの恋愛が始まった」なんて言っています。笑
その後、当時勤めていた会社を退職し、渋谷にフォーの小さな店を開業しました。その店は上手く行かずにたたんでしまったものの、タイ料理レストランの関連の会社でベトナム事業部の立ち上げるということで、増田やその時残っていたスタッフ共々、その新会社に移ったそうです。そして、様々な施設での運営やベトナム料理以外の店の運営を通して、多くの経験も積むことになりました。
その後一年後再度独立し、ロータスパレスを運営する会社を設立し、最初は「バインセオ」というベトナム料理をメインに出す「バインセオサイゴン」というお店を出したのです。
※バインセオ:米粉で作った薄い皮(ターメリックで色付け)で、もやし・エビ・豚肉などを包み焼き上げたものを、葉野菜や香草で巻いて食べる料理
「バインセオ」という名前が覚えにくく、当時の日本では全くと言っていいほど馴染みがない料理でしたが、増田が現地で食べて「美味しい!」と感動した料理で、熱意だけでブランドを作ったそうです。
お客様には食べ方や食材についても毎回丁寧に説明をして、徐々にバインセオのファンを増やしていきましたよ。
- なるほど。ベトナム料理への愛情と、「日本にベトナム料理の美味しさを伝えたい!」という熱い気持ちがひしひしと伝わってきますね。今でも年に数回現地に足を運んで、ベトナム料理の基本や今流行っているものなど、情報のアップデートを欠かさず行い、当店のメニュー開発に活かしています。
若者向けの人気を狙う、SNS映えを狙う、というようなことにはとらわれずに、「現地の美味しさを大切にする」という点を軸にしているのです。
メニューも季節に合わせて都度改良していますが、その料理ひとつひとつも、増田の「GO!」が出ないと正式メニューにはなりません。
また、レストランの内装やメニューデザインに私も関わっていますが、こちらも増田と最終確認を行っています。料理だけでなく、雰囲気もベトナムらしく、来店されたお客様に楽しんでいただけるようにしたいのです。
