現地のベトナム人と、ベトナムを敬愛する日本人が作り上げた「ロータスパレス」

- まず最初に、ロータスパレスのレストランや運営している企業について教えてください。

株式会社P4 という会社が経営を行っております。

本日は赤坂店にいらしていただきましたが、もともとは今とは違う場所に出店しました。20年近く前、現在の社長 増田法子(ますだのりこ)が店長だった時代です。

紆余曲折あって一度は閉店したのですが、ファンも多く、数年後にこの場所(赤坂店)が再オープンしたんです。

※増田さんがベトナムに興味を持ち起業したエピソードは、この記事の後半で紹介します!
「ロータスパレス」をはじめレストランを日本で開く時には、増田をはじめ弊社スタッフが現地でシェフを面接して、選び抜いた人材に来日してもらいます。現地でもプロのシェフとして活躍していた人達が日本でも腕をふるっていますよ。

キッチンの現場は男性メインですが、経営陣や企画・管理のチームは増田をはじめ女性が多いです。私もそうですが、積極的に企画やメニュー開発、お店のインテリアデザインに関わっています。

一方でお客様層ですが、レストランを始めた頃は圧倒的に若い女性が多かったですね。ベトナム料理というとヘルシーで健康食というイメージが強かったのだと思います。

今も女性は多いですが、オープン時より男性も増えました。また、外国人のお客様も多いです。

意外と多い!ベトナム料理と日本料理の共通点

- 確かに。「ベトナム料理は女性に人気」というイメージはあるかもしれません。本日はその偏ったイメージを少しでも払拭できるよう、お話を聞かせてください。

当店では、「フォー」や「生春巻き」にとどまらず、屋台料理、家庭料理、宮廷料理などベトナム全土のお料理を楽しむことができます。フランスの領地だった時代もあるので、フランスの影響を受けつつベトナム独自で進化していった料理も多くありますよ。

どんな時に食べるか、どのようなシーンにおすすめか、と聞かれたら「いつでもどんな時も!」と胸を張って言いたいです。

いい意味で、そんなに「特別過ぎない」料理なのです。味がとても優しくて日本人の舌に馴染むので、日常の料理として楽しめますよ。日本料理にとても似ている面も多くて。

「辛い!」「こってり!」という特徴的な料理は少なく、日本の食卓にもすんなり馴染みます。

- ベトナム料理が日本料理と似ているという視点で考えたことはなかったです。詳しく教えてください。

実は似ている部分がたくさんあるのです。

まず、現地でも白いご飯とおかず、お汁をあわせて定食のようにして食べる文化があります。おかずは甘辛い味も多くご飯にもよく合います。また、調味料も日本の「さ(砂糖)、し(塩)、す(酢)、せ(醤油)、そ(味噌)」があり、味付けも日本料理にとても近いです。大豆醤油も使いますし、発酵の文化もあるんですよ。

また、当店では現地のシェフ(約90%が現地ベトナムのシェフ)が現地の味のまま提供していますが、日本の食材と日本の水を使っているのでより一層日本人のお客様に馴染む味になっているのかと思います。

本場のベトナム人シェフ&支配人がおすすめ!「ロータスパレス」おすすめメニュー7選

東南アジアの料理は癖があるとか辛いというイメージがあると思いますが、、ベトナム料理はなんと言っても「優しい味」です。また、フランスなどの影響も受けているので、多様性もあり皆さんの概念を覆すかもしれません。

今回は、ベトナム料理を知り尽くした支配人 マイクさんと料理長 ザップさんに、「ロータスパレス」でいただけるおすすめのメニューを伺ってきました。
ニラの花ガーリック炒め(ボン・へ・サオ・トイ)

日本ではニラの花の料理はとても珍しいですし、ベトナム料理レストランでも出してないところも多いです。味がとても優しく、日本人の女性のお客様へ特におすすめ!ヘルシーでさっぱり、シェフの自信作です!ニラだけど臭くない、歯ごたえが面白いので一度味わっていただきたいです。





グレープフルーツサラダ

ヘルシーで爽やかです。ベトナムでは本来ザボンという柑橘系のフルーツを使いますが、日本では手に入りにくいためグループフルーツでアレンジしています。みずみずしい南国の味が口いっぱいに広がりますよ。





蒸し春巻き(バイン・クン)

ベトナムでは朝ごはんでも親しまれる一品。春巻き単体ではなく、野菜に巻いてヌクマム(魚醤)をベースにした「ヌクチャム」という甘酸っぱいタレに付けて食べます。野菜も一緒に食べるのがベトナム流です。

支配人マイクはアメリカに住んでいたこともありますが、アメリカでも「ベトナム料理はヘルシー!」で有名だったそうです。むしろ、アメリカでは日本食よりも有名かと思うくらいだったとか。男性客も多いですし、サラリーマンひとりでも食べに来るそうです。

豚バラ焼き(ヘオ・クァイ)

豚のバラ肉を皮を付けたままオーブンでパリッと焼き上げた一品。ジューシーで旨味が口の中に広がります。リピーターも多く、特におつまみとして男性にも人気の料理です。




牛肉とマッシュルーム炒め(ボー・ソット・ナム)

フランスの影響も受けて、トマトとクリームとバターのソースで仕上げています。

パンと一緒に食べるのがおすすめです。実は、ベトナムはパンも美味しい(独自で発達したからフランスパンとも違います)です。こちらのレストランで出すパンは現地の味に近づけるため独自に日本で開発したものを使っています。中国やフランスの影響を含みつつ、ベトナムのエッセンスを加えている、どこにもないお味ですよ。




ハノイ名物の鍋(チャーカー)

鍋で、白身魚、ディル、ネギをオリーブオイルで揚げ焼きして食べる料理です。(日本料理に近いものがないので説明が難しいですが。)米粉の丸い麺(ブン)を入れたお椀にオイルと一緒にかけて、ピーナッツや発酵えび味噌と一緒に食べるのが主流です。日本のベトナム料理屋でも食べられるところはまだ少ないと思います。




牛すじブン(ブンボーフエ)

フォーに加えて人気の麺料理で、同じ米粉の麺ですが、フォーのように平たくなく丸い麺です。現地のお客様にはむしろフォーよりブンが人気なんですよ。学生からサラリーマンまで幅広い世代に人気があります。牛のピリ辛スープ、えび味噌やレモングラスも合わせた複雑な味で毎週のように食べに来る人もいます。

ちなみに、フォーやブンは屋台料理で、現地では朝ごはんやおやつに屋台で食べる、というのが一般的です。

VELTRA STOREではこだわり抜いたメニューを提供!

- 今回、VELTRA STOREに出店していただくにあたり、工夫などはございましたか。

VELTRA STOREでは、グランドメニューの中から冷凍しても味が落ちないものを選定して セット にしています。今回出店するにあたり、「レストランの味をそのままに」をモットーに本当に様々な研究を重ねました。

冷凍方法、パック方法、調理方法(レンジ・オーブン・湯煎)など試行錯誤しベストなものを選び抜きましたし、レストランと冷凍配送用を比べても、調理時間なども秒単位で微調整しています。春巻きひとつ取っても、レンジ加熱を見越して、調理工程を微調整したりしていますよ。

最終的には、スタッフの自宅へ冷凍配送して、配送を経た商品が家庭用のレンジで実際にどうなるか何度も試したりもしました。ご購入いただいた方には、ベトナムの東西南北、宮廷料理から家庭料理まで様々なお料理をご自宅でお楽しみいただけるよう、自信を持っておすすめできます!
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社長とベトナムの運命的な出会い~ロータスパレスの起源とは~

普通のOLとベトナムとの出会い

- ではここからは、社長の増田法子さんについてお聞かせください。ロータスパレス(を運営する会社)の社長になるのは、どのような経緯だったのでしょうか。

増田はもともとは普通のOLで、休暇によく海外旅行に行ったそうです。その中で、たまたまベトナムに旅行に行った時に一気に惚れ込んでしまったようで。

特にハノイの夕日の美しさや、ホーチミンの活気に胸を打たれたそうです。現地の人々がみんな元気ハツラツとしてて、生きる力に圧倒されたというか。

その後、ベトナムの文化を日本の身近な人にも紹介していきたいと、個人で家具や雑貨を輸入して、週末にお店をやっていました。実は、私はその時大学生で、そのお店に立ち寄ったのが、増田との最初の出会いです。




- 旅先での人々や絶景が人生の道標となったなんて、ドラマのようなお話ですね。

はい、社内では「社長とベトナムとの恋愛が始まった」なんて言っています。笑

その後、当時勤めていた会社を退職し、渋谷にフォーの小さな店を開業しました。その店は上手く行かずにたたんでしまったものの、タイ料理レストランの関連の会社でベトナム事業部の立ち上げるということで、増田やその時残っていたスタッフ共々、その新会社に移ったそうです。そして、様々な施設での運営やベトナム料理以外の店の運営を通して、多くの経験も積むことになりました。

その後一年後再度独立し、ロータスパレスを運営する会社を設立し、最初は「バインセオ」というベトナム料理をメインに出す「バインセオサイゴン」というお店を出したのです。

※バインセオ:米粉で作った薄い皮(ターメリックで色付け)で、もやし・エビ・豚肉などを包み焼き上げたものを、葉野菜や香草で巻いて食べる料理
「バインセオ」という名前が覚えにくく、当時の日本では全くと言っていいほど馴染みがない料理でしたが、増田が現地で食べて「美味しい!」と感動した料理で、熱意だけでブランドを作ったそうです。

お客様には食べ方や食材についても毎回丁寧に説明をして、徐々にバインセオのファンを増やしていきましたよ。

最後まで大切にする「本場のベトナム」

- なるほど。ベトナム料理への愛情と、「日本にベトナム料理の美味しさを伝えたい!」という熱い気持ちがひしひしと伝わってきますね。

今でも年に数回現地に足を運んで、ベトナム料理の基本や今流行っているものなど、情報のアップデートを欠かさず行い、当店のメニュー開発に活かしています。

若者向けの人気を狙う、SNS映えを狙う、というようなことにはとらわれずに、「現地の美味しさを大切にする」という点を軸にしているのです。

メニューも季節に合わせて都度改良していますが、その料理ひとつひとつも、増田の「GO!」が出ないと正式メニューにはなりません。

また、レストランの内装やメニューデザインに私も関わっていますが、こちらも増田と最終確認を行っています。料理だけでなく、雰囲気もベトナムらしく、来店されたお客様に楽しんでいただけるようにしたいのです。

- そうなんですね。社長だけでなく、社員の皆さんもベトナムが大好きなのですね。

私も会社のみんなもベトナムには今までに何回も行くほど、大好きです。

美味しい料理はもう揃っているのですが、当店では、「人」もとても魅力的です。先程支配人と料理長にもお会いいただいたので分かると思いますが、とても明るいしフレンドリーな人が多いです。

お客様にも接客や料理の説明を通して彼らの人柄も伝わればいいなと思います。人間的にもとても魅力的な存在なので。

食事を通して、日本とベトナムの架け橋になりたい

ベトナム文化に学ぶ、仕事への向き合い方

- 伊藤さんの周りには、日本人・ベトナム人関わらず、本当に魅力的な人たちが揃っていますね。仕事をしていく中で、国や文化の違いに直面したことなどはありますか。

外国同士なので、もちろん文化的違いは余計にあるかもしれません。しかし、私からすると、日本人は真面目でいい意味で細かい反面、ベトナム人は軽やかで神経質ではなくて。おおらかで明るいと言いましょうか。

同じアジアの人でも違いもたくさんあるんです。仕事をしているとやり方が異なる部分も出てきますが、同時に尊敬できる部分も多く出てきます。

日本人にはない感覚にも出会えますし、その感覚を否定するのではなく尊重し合っているように思います。

自国の文化や価値観を主張するのではなく、お互いに認め合い、尊敬し合っているのが分かるからこそ気持ちよく仕事ができています。

社員旅行の一枚。最前列で横を向いて笑っているのが社長の増田さん。
(社員旅行の一枚。最前列で横を向いて笑っているのが社長の増田さん。)